2018年2月開催セミナー
難病医療従事者研修会にて『難病と障害年金』というテーマで講演させていただきました
難病医療従事者研修会を振り返って
難病対策センターの依頼を頂き、2月23日(金)広島大学病院の広仁会館にて「難病と障害年金」のタイトルで難病医療関係従事者の方に対しお話させていただきました。
今回の講演において特に強く印象付けられたのは、私が、パーキンソン病について「診断書の作成に際し、薬の効果がオンの時の状態を記載してもらうのかが日本年金機構から公表されておらず、実務的にはオフの時の状態を記載してもらっている」と申し上げたのに対し、当日、パーキンソン病のご公演をされた岡山旭東病院の柏原先生から「オフの状態で記載するのは正義に反するので私はオンの状態で記載している」と言われたことです。
日本年金機構の本部の審査担当者に直接確認したところ「薬の効果がオンの時の状態を診断書に記載するように」と説明されましたので柏原先生の言われたことは正論だと思います。
しかしながら、診断書の作成作業要請については、公表されておらず、現場の年金事務所の担当者からは「薬の効果がオフの状態で診断書を作成してください」と説明されております。薬の効果がオフになるとオンになるまでじっと待てることができる方は問題ないと思いますが、現役の方はそうはいきません。薬の効果が切れたので会議はしばらく待ってくれと言っても待ってはくれません。それぞれの置かれた状況で同じ障害の程度の方でも現実の不自由さは変わります。
現在の診断書の書式では、記載項目が画一的なため、それぞれの置かれた状況を勘定して記載するようなことは不可能です。
例えば、脳脊髄液減少症や線維筋痛症等については、厚生労働省から1級、2級、3級の診断書の記載例が公表されています。
パーキンソン病についても診断書の記載についてのポイント(オンとオフの時間、不随意運動の有無、ステージ等)についての指針を公表すべきと思います。
そうすることにより不公平さが改善されるものと強く考えさせられた次第です。