人工透析で障害基礎年金2級を受給できたケース
1 相談に来た時の状況
ご相談のお電話をいただいたのは、ご本人の奥様からでした。
40歳代の夫が人工透析を始めたので、障害年金の手続きをしたいが、奥様が働いており手続きをする暇が無いので、代わりに手続きをお願いしたいとのことでした。
そこで自宅に伺い、ご本人と直接これまでの受診状況を伺いました。
2 江口社労士による見解
人工透析を行っているとのことなので、病状としては国民基礎年金2級に該当すると判断しました。人工透析の方の多くは初診日の証明をとるのが難しいため、過去の病院の通院歴を整理する必要があると考えました。
また、糖尿病による視覚障害もあったので、視覚障害の程度によっては併合認定で障害基礎年金1級の可能性もあることを想定して、視覚障害の程度を調査するための手続きの準備に入りました。
3 受任してから申請までにやったこと
3-1 初診日証明の取得
障害年金の認定を受けるには初診日の証明を取ることが必要です。
今回はたまたまカルテが残っていたので、初診日証明自体は比較的簡単に取得することができたと思ったのですが、カルテに記載されている病名が「急性膵炎」だったことで、振り出しに戻る可能性が出てきました。
というのも、急性膵炎が人工透析の初診日の病気となるのか疑問があったからです。急性膵炎が人工透析の初診日の病気と認めて頂くためにも、状況を整理して「急性膵炎⇒糖尿病⇒慢性腎不全⇒人工透析」という明確な流れが分かるよう、診断書を医師に作成していただき、申立書を作成しました。
3-2 過去の病院の通院歴を整理
多くの人工透析の方が越えられないハードルが過去の病院の通院歴の整理です。今回は本人から委任状をいただき、各病院(3箇所)における受診状況を調査して、通院期間や通院回数、治療の種類、投薬歴などの申立書を作成する材料収集を行いました。
3-3 視覚障害の程度を調査
併合認定で障害基礎年金1級をいただけるか確認するために、視覚障害の程度を調査しました。視力が0.1以下だと併合認定されますが、今回のケースでは0.1より上だったので併合認定は無理だと断念しました。
4.結果
苦労の甲斐があり、無事に障害基礎年金2級を取得することが出来ました。
奥様のお仕事が忙しく、手続きする時間を作れない家庭状況だったので、ご本人と奥様にも大変喜んで頂けました。
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